
カラーステンレスの色付けは、塗装・メッキ・電解発色・化学発色・PVDの5方式。
うち干渉膜(構造色)が生じるのは電解発色と化学発色のみ。
当社はゴールドIPチタンの技術を基に、PVD金色×意匠研磨を中核化し、最大1219×3000mmに対応します。
方式を誤解しない:色は“塗る”か“作る”か
ステンレスに色を与える方式は5つ。電解発色・化学発色のみが干渉膜(構造色)で、透明感と角度依存の色変化を生みます。
※蒸着(PVD)でも酸化膜を形成すれば干渉膜になりますが、あまり使われていません
方法①:塗装(ペイント)
色域・艶マットの自由度が高く、小ロット対応に向く。金属らしい透明感はやや弱い。
方法②:メッキ
金属光沢と機能(導電・耐食)を付与。下地・膜厚・密着の設計が重要。
方法③:電解発色(干渉色)
透明酸化皮膜の厚みで色が決まる構造色。透明感と“色の移ろい”が魅力。
方法④:化学発色(干渉色)
薬液処理で極薄酸化皮膜を形成。大面積で深い色を安定再現しやすい。
方法⑤:PVD(物理蒸着)
TiN/ZrN/TiCN等の膜設計で狙いの色を再現。高硬度・高密着・高耐候。
当社はPVDゴールド(SUS基材)を中核に、下地研磨×膜設計で“空間で美しく見える金”を提供します。
当社の主流:PVDゴールドの設計思想
根底にあるのは、当社がチタン領域で培ったゴールドIPチタンの品質設計思想です。
ステンレスでも、下地研磨(光学下地)×膜材選択×成膜条件を三位一体で最適化し、色差の再現性と耐久性を両立します。

①:下地研磨
鏡面(#700)・ヘアライン・バイブレーション等。拡散と光沢のバランスで金の色合いを決定。
②:膜材設計
TiNを基軸に、Luxury Gold/Champagne Gold/などの色相レンジを連続設計。
③:成膜条件
窒素分圧・基材温度・バイアス等で結晶性・緻密性を制御し、色の再現性と耐久を安定化。
方式別の比較と用途適性
| 方式 | 利点 | 留意点 | 推奨用途 |
| 塗装 | 調色自由・短納期・補修容易 | 金属的透明感は弱め、耐擦傷は塗料依存 | 屋内什器・短納期案件・コスト優先 |
| メッキ | 金属光沢+機能付与 | 下地・膜応力管理が重要 | 意匠+導電/耐食など機能両立 |
| 電解発色(干渉) | 透明感・角度で色の移ろい | 角度依存・色合わせ難度 | 構造色を活かす内外装 |
| 化学発色(干渉) | 大面積で深い色、塗料不使用 | プロセス管理・補修の難度 | 高品位ファサード/内装 |
| PVD | 高硬度・高密着・耐候性・再現性 | 干渉色ではない(膜設計で発色) | 外装・内装の金色、什器、設備化粧 |
“空間で美しく見える金”の作り方(例)

・Luxury Gold:鏡面×TiN中心。ブランド店舗やジュエリー什器に。
・Champagne Gold:ビーズブラストやへアラインを素地として使用。ホテル/ラグジュアリー住宅の内装に。
※下地の粗さと配向は、指紋・汚れの目立ちや耐傷性にも関係します。現場運用(清掃頻度・採光)から最適化します。
品質評価と再現性の考え方
密着/曲げ追随
・クロスハッチ、R曲げ試験で確認
耐久/屋外
・複合サイクル腐食(CCT)、屋外暴露
外観KPI
・色差(ΔE)、光沢度、下地Ra
案件ごとに色差管理値を設定し、ロット再現性を確保します。
加工対応範囲
最大サイズ
・1219mm × 3000mm(ステンレス基材の意匠研磨・PVD)
下地ラインナップ
・鏡面(#700)/ヘアライン/バイブレーション/微細ブラスト その他、特殊意匠対応
色相レンジ
・L・uxury Gold/Champagne Gold/+カスタム応相談
7. FAQ
▼Q:干渉膜が使われるのはどの方式ですか?
A:電解発色と化学発色のみです。PVDは干渉色ではありません。
▼Q:最大サイズは?
A:ステンレス基材の意匠研磨およびPVDは1219mm × 3000mmまで対応します。
▼Q:加工順序は?
A:基本は「加工 → 研磨 → PVD」です。後加工が必要な場合はマスキングなど個別設計で対応します。
▼Q:指紋や汚れは目立ちますか?
A:鏡面は目立ちやすいため、ヘアラインやバイブレーションとの組み合わせで実使用の寛容度を高められます。
どうしても気にある場合は、耐指紋コーティングMaCoat GCをコーティングいたします。
サンプル請求・技術相談
PVDゴールド(SUS基材)の色見本・下地別比較、電解/化学発色との方式比較レビューをご提供します。
最大1219mm × 3000mmの大板にも対応。設計段階からお気軽にご相談ください。
お問い合わせフォーム
お電話でのご相談はこちら
092-928-3733
PDF資料をダウンロードはこちら
関連ページ
© 東洋ステンレス研磨工業株式会社
本ページの内容・仕様は改良のため予告なく変更される場合があります。







