はじめに:時間と環境を超えて美しさを保つという価値
金属という素材は、時に冷たく、時に力強く、そして時に神聖な静けさを感じさせます。
そんな金属の中でも、今回ご提案するのが──二相ステンレス鋼「オリジニス・エラン」です。
その魅力は一言で言えば「美しさの永続性」にあります。
湿度や海風からの塩といった過酷な環境にも、凛とした姿を保ち続ける「耐久性」。そして、その強さを優雅に包み込む、研ぎ澄まされた光のライン。
今回は当社が手がけた『原初の削り』という特殊研磨技術を用いたステンレス天板「オリジニス・エラン」の性能・意匠性・実用性を、実際の耐食試験データを交えてご紹介します。
耐食性データが証明する真の実力
2025年、第三者機関による厳格な耐食試験「JIS K 5600-7-9 CCT60 サイクル試験」において、「オリジニス・エラン」は赤錆・孔食ともに極小という結果を記録しました。
この結果は、一般的なSUS304(2B仕上げやヘアライン)では明確な赤錆が発生した中での評価です。
【60サイクルの試験内容】
・塩水噴霧(5%NaCl, 35℃, 2h)
・乾燥(60℃, 30%RH, 4h)
・湿潤(50℃, 95%RH, 2h)
60サイクル繰り返された過酷な条件のなかで、美観も光沢も維持されたまま、ノーメンテナンスでこの結果を出せた素材は、オリジニス・エランだけでした。
プロユースにも安心して使える耐久性が証明されました。
表1. 耐食試験結果
デザインと性能の両立──オリジニス・エランの構造美
オリジニス・エランの最大の特長は、強靱さと軽やかさが両立した造形にあります。
素材にはSUS329J1(二相ステンレス鋼)を採用。これは一般的なSUS304と比較して、「約2倍の強度」と
圧倒的な孔食・応力腐食割れ耐性を誇ります。
その上で、当社独自の研磨工程『原初の削り』を通じて、
・光を乱反射する「黄金比ストライプ」
・空間を鏡のように映し込む「マットシャイン」
という、視覚的にも静かでありながら力強い美を宿しています。
この意匠は単なる“装飾”ではありません。研磨工程で発生する熱歪みや酸化を抑え、耐食皮膜を最大限に育てるプロセスそのものが美しさを生んでいるのです。
家具、キッチン、内外装──空間の核になる金属美
オリジニス・エランは下記の用途で使用されます。
◎ ステンレスキッチン
耐熱性・清掃性に、高級感と実用性を併せ持つ素材として ご提案いたしております。
◎ 金属天板の家具
モダンなダイニングやラウンジテーブルにお勧めです。
たわみを防ぎ、軽量で構造がシンプルに済むのもエランの強みです。
◎ 外装壁・内装パネル
海岸沿いの建築でも高耐食性能を発揮し、室内照明とのコントラストで陰影の美を演出。
まとめ
『オリジニス・エラン』は単なるステンレス天板ではなく、時間と空間を貫く“物質の美”をかたちにするための意匠ステンレス鋼です。
耐久性、軽さ、そして意匠性を兼ね備えたこの素材は、皆様にとって「設計の自由度を押し広げる起点」となれば幸いです。
オリジニス・エランの見本は組み立て式です。ご要望がございましたら、当社よりオリジニス・エランのご紹介・ご提案をいたします。もしくは、東京サンプルステーションでオリジニス・エランをご覧頂けます。
10年、20年、その先まで美しく機能する金属天板をご提供いたします。