ステンレスやチタンの金属床材に、意匠性のあるすべり止めテクスチャーを組み合わせると、エントランスの安全性とデザイン性を両立できます。本記事では、MAKOが提案してきた金属製すべり止め床材の構造、ブラスト仕上げとの違い、デザインの自由度、用途と選定時の確認ポイントを整理します。
01金属製すべり止め床材とは
金属製すべり止め床材は、ステンレスやチタンの表面に凹凸やテクスチャーを設け、歩行時のグリップを確保しながら、金属ならではの光沢や意匠性を生かす床材です。一般的な玄関マットや樹脂系床材とは異なり、素材、表面仕上げ、模様、外形を建築意匠に合わせて設計できる点が特徴です。
MAKOでは、ステンレス表面仕上げやステンレス研磨の技術をベースに、床面へ意匠テクスチャーを加える提案を行ってきました。
02床材に求められる安全性
エントランスや玄関は、雨水、雪、砂、靴底の状態などによって歩行条件が変わります。そのため、床材を選ぶ際は見た目だけではなく、設置場所の濡れ方、清掃方法、歩行量、段差、下地条件まで含めて検討する必要があります。
すべり止め性能は、表面が粗ければ必ず高くなるというものではありません。テクスチャーの形状や配置、材料、使用環境との組み合わせで評価することが重要です。公共施設や店舗などでは、設計者・施工者と必要性能を確認したうえで採用してください。
03基本構造と素材
既存記事で紹介している施工例では、高強度二相ステンレス鋼NSSC2120、背面のケイ酸カルシウム板、表面のすべり止めテクスチャーを組み合わせています。金属板だけでなく、背面構造を含めてパネルとして考えることがポイントです。
| 要素 | 役割 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 表面金属 | 意匠・耐久・清掃性 | ステンレス/チタン、仕上げ、色調 |
| テクスチャー | 歩行時のグリップ | 凹凸、模様、配置、使用環境 |
| 背面材・下地 | 面剛性・納まり | 厚み、固定方法、既存床との高さ |
金属パネルの基本構造はステンレスパネルの作り方も参考になります。
04ブラスト加工との違い
ブラスト加工は表面を均一にマット化したり、光の反射を抑えたりするのに有効ですが、ブラストを施しただけで床用途のすべり止め性能が自動的に得られるわけではありません。床材として使う場合は、必要性能に応じた凹凸形状やテクスチャーを別途設計する必要があります。
| 方法 | 主な目的 | 見え方 |
|---|---|---|
| ブラスト | マット化・反射抑制・意匠 | 均一な梨地や微細な凹凸 |
| すべり止めテクスチャー | 床面のグリップ+意匠 | 模様・凹凸を明確に設計 |
ブラストの基礎はブラスト加工とは?、ビーズブラストとの違いはビーズブラストとは?で解説しています。
05テクスチャーと形状はカスタマイズできる
テクスチャーは機能だけでなく、エントランスのサインや空間デザインの一部として計画できます。既存記事では、ゴールド系のチタン表現や複数の幾何形状を試作しています。
形状やパターンの検討例:
06用途と設計例
想定される用途は、店舗・オフィス・工場・公共施設などのエントランス、玄関、歩行導線、サインを兼ねる床面などです。特に、既存の玄関マット部分へ金属パネルを納める場合は、周囲との高さ、端部、清掃時の取り外し性も確認します。
07選定とメンテナンスのポイント
選定時は、①屋内・屋外、②雨水の入り方、③歩行量、④靴の種類、⑤要求される意匠、⑥清掃方法、⑦下地と固定方法を整理すると仕様を決めやすくなります。
ステンレスやチタンは水洗いしやすい素材ですが、凹凸部には砂や汚れが残ることがあります。定期的に清掃し、油分や泥が堆積しない状態を保つことが重要です。海岸部や温泉地など腐食環境が厳しい場所では、金属の耐食性も踏まえて素材を選定します。
08FAQ・まとめ
ブラスト加工だけで床のすべり止めになりますか?
ブラストは主に表面のマット化や意匠を目的とする加工です。床用途では、使用環境に応じて必要なすべり止め性能を確認し、専用テクスチャーや凹凸形状を設計する必要があります。
模様や外形は変更できますか?
既存記事で紹介しているように、テクスチャーや外形は用途・デザインに合わせて検討できます。製作条件は寸法、素材、数量、下地構造によって変わります。
屋外でも使えますか?
屋外使用は可能ですが、雨水、塩分、凍結、周囲材料、清掃方法などの条件確認が必要です。環境に応じてステンレス鋼種やチタンを選定します。
金属製すべり止め床材は、安全性だけでなく、エントランスの意匠を構成する素材として設計できます。表面テクスチャー、素材、色調、パネル構造を一体で検討することが重要です。












