全て 加工・施工

鏡面金属のマット加工とは?

投稿日:

意匠に使われる金属の表面について

街中や身近にあふれている金属でつくられた製品群は数多くあります。
一番身近なのが、鉄製品 続いてアルミニウム製品です。

ほとんどの鉄製品は塗装やフィルムが貼られていて鉄がむき出しになる事は少ないです。

アルミニウムについては窓枠のサッシに見られるようにアルマイトや塗装、カラーアルマイトがしてあります。

次にステンレス製品です。

ステンレス鋼は「錆びにくい金属」です。強靭な不働態被膜があるので錆びにくい表面です。 それ故に水回り製品や屋外によく使用されています。

他には、チタン、銅、真鍮があります。

それぞれ特徴のある表情です。
銅は経年で酸化が進みアンテークな、くすんだ表情になります。
対して、ステンレス鋼やチタンは輝きを維持し続けます。

建物やモニュメント、輸送車両に使うステンレス

屋外で使用されるステンレスはバフ研磨加工で磨いている商品が非常に多いです。 目的は意匠的なところも大いにありますが、錆びにくさと清潔さが重要なポイントである為にバフ研磨加工しています。

バフ研磨加工は前回のコラムでもご紹介した通り、研磨のしやすさ、加工の容易さで非常に使いやすい表面意匠です。

それ故に、様々な用途や業界に幅広く使われています。

→ 参考:ステンレス研磨とは?

ステンレス研磨とは?

バフ研磨加工品は準鏡面加工以下の光沢であることが多く、また、バフラインという筋状の模様も発生します。

その筋状の模様が建物の意匠面や、内装での意匠面でデザイン的にそぐわないことがあります。

そこで、この様なバフ筋がある商品では意匠的にそぐわない場合、ステンレスミラー(ステンレス鏡面)する事がよくあります。

鏡面ステンレスが問題となる場合

屋内で使われる場合にはさほど問題になる事は少ないですが、屋外で使用する場合、ステンレスミラーは非常に反射が強く、光を跳ね返すことで周囲にまぶしさをを与えてしまい且つ、熱も反射するので熱くさせるという弊害が起こります。

そこで、ミラーのみで構成するのではなく、鏡面の表面にテクスチャーを入れたり、3D化したりして、光を拡散する手法をとる事も多いです。

この手法では、どうしてもテクスチャーや絵柄を配置せねばならないため、意匠的に合わない場合は使用する事が出来ません。

そこで、光の反射や映り込みの抑制のためにマットにするという手法をとり、調和を重視した仕上げをおこないます。

マット加工とは?

一般的にマット加工というとスプレー塗装などの塗装や、プラスチックのざらざらしたものや印刷による凹凸のついたものを指します。
マット加工は英語で書くとmatte つまり艶消しの意味です。
最近、たまに見かける艶消し塗装された車があります。
マット塗装なのか、マット加工フィルムなのか施工方法はわかりませんが特別感のある印象を受けます。

お手入れが大変そうです。 また、傷がついた時に目立ちそうな印象も受けてしまいます。

ステンレスを同じようにマット加工のように表現するにはサンドブラスト仕上げというものになります。

車のマット加工と同様に、汚れが付きやすく、傷も入りやすくお手入れがとても大変な仕上げです。

→サンドブラストの商品はこちら

【角パイプ・型鋼】マットブラスト(サンドブラスト)

ですから、弊社ではサンドブラスト仕上げの商品には最終仕上げにMacoat_GCでのコーティングを推奨しています。

MaCoat GCについてはこちら

鏡面ステンレスのマット加工について

鏡面の良さを残しつつ、映り込みと反射を抑制するマット仕上げ。

光沢の加減を微妙に調整する事が可能な処理で微妙な映り込みが特徴です。

特殊な加工方法となりますが、鏡面の光沢を出来るだけ維持しながら反射と映り込みを抑制する仕上げです。

弊社商品名 ファインミストがその代表です。

ファインミストはコチラ

この微妙な映り込みがわかりますでしょうか?
鏡面の特徴を残して、丸で水蒸気に覆われたような表面となります。
ここまでマット加工を行うと光の反射も大幅に抑制されます。

3Dでの映り込みはとても幻想的な印象となります。

まとめ

マット加工以外には例えば、ヘアライン仕上げやバイブレーション仕上で半光沢仕上げというものが可能です。

ステンレスの表情は様々に変化させることが出来ます。

使われる用途や場所、主変環境に応じて、意匠を変化させることが可能です。

皆様のデザインイメージを機能面・意匠面からお役に立てるステンレス鋼をどうぞよろしくお願いいたします。

ちなみに、チタンも同様の対応が可能です。

宜しくお願い致します。