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3Dステンレス屋外での使用状況変化について

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ステンレス意匠材は、外壁材等、屋外でも用いられることがあります。
ステンレス意匠材には様々な種類がありますが、その中の1つとして「3Dステンレス製意匠パネル」があります。
この3Dステンレスは様々な形状に変化させることが可能であり、ハンマートーン型や凹凸などテクスチャーの種類も豊富です。
3Dステンレスのテクスチャーの中でも1番多いのが「水面ステンレス」。東洋ステンレス研磨工業では、水面金属・水面ステンレスシリーズとしてあらゆる意匠表現のパネルを用意しています。 広義には水面金属シリーズですので、チタン、アルミでも製造可能です。

今回のコラムでは、この「水面ステンレス」使用にあたり最もお問い合わせの多い「屋外で水面ステンレスシリーズを使うことができるのか」という質問に対して解説していきます。

屋外に長期間設置することで、自然環境の影響をどのように受けるのか、また、屋外での使用は問題がないのか、皆様からいただくお問い合わせに対して、当社の事例とともに解説いたします。

水面のようなステンレス

3Dステンレスは様々な形に形状を変化させることが可能です。

大きな面積や小さな面積、四角、丸型、扇型、三角などなど、空間に合わせて自由に形状を変えることができます。
よくロットを聞かれることが多いですが、1枚からの製作が可能であるので小さなアクセント部品でもお気軽にお使いいただけます。
また、特別な柄を再現したいということについても、簡便にカスタマイズして対応することが可能な商品です。

水面のようなステンレス

芸術家 杉田 廣貴様 作品:梅花の宴

芸術家 杉田 廣貴様 作品:存在

3Dステンレスでは、色々なテクスチャーも揃えています。
ダイヤモンドカット、鱗型、ハンマートーン型、凹凸などがありますが、やはり一番多いのは、水面ステンレスが多いです。

水面のようなステンレスシリーズであるミステリアスステンレスミラーシリーズの「Ripples」「Jeux d’eau」「水明」 ははっきりした水面ステンレスミラーのようなタイプから、水面が漂うような印象を持つもの、そして、大きな海原の水面が揺蕩う様などを表現したものがあります。

これら水面ステンレスシリーズは、屋外に使えるのか?というような質問や、水中では使えるのか? などの質問・問い合わせを受けます。

上記のような水面ステンレスシリーズに関する質問について、解説いたします。

水面のようなステンレス

ミステリアスステンレスミラーリップルス

JEUX D’EAU(ジュ・ドー)

水明

 

3Dステンレスの性能について

3Dステンレスとはステンレス鋼を自由湾曲形成方法を用いて3次元の形状にしたものです。
つまり、その性能はステンレス鋼の母材性能によるところとなります。

汎用のSUS304鋼を用いれば、その耐食性能や機会性能は基本的にSUS304同等となります。
SUS316を用いるとその性能はSUS316の性能となります。

厳密には、ステンレスの3D加工時に加工部位に対して加工硬化を起こしているので固くなっています。
しかし、ベンダーなどでの加工にはあまり影響のない範囲です。

従いまして、3Dステンレスの性能は、母材であるステンレスの鋼種グレードに準ずる形となるのです。

3Dステンレスの性能について

水面ステンレスシリーズと鱗型ステンレスの壁面パネル形状へ加工しています。
背面に壁に固定できるよな金具をつけており、背面の固定方法に応じてフレキシブルに対応できます。

この構造は、下地と合わせて自由自在に変更可能なところです。
これらの耐食性能や機械的性質は、上述している母材のステンレス鋼のグレードによります。

ただ、一部の高強度ステンレス鋼の場合、水面のようなステンレスはテクスチャーが入り辛くなることもありますが、それよりも鏡面化が困難な鋼種もあります。

水面ステンレスをご使用の際には、取り付け環境を検討いただいて、ステンレス鋼種の選定をお願いできれば幸いです。
もちろん内装では水面ステンレスの鋼種選定はあまり必要ございません。

 

屋外での3Dステンレス鋼の耐食性

それでは、気になる屋外での3Dステンレス鋼の耐食性についてご説明します。

まず、弊社での3Dステンレスの開発時期をご説明しますと、開発時期は1989年に遡ります。
とても歴史の長い技術です。
すでに33年の歴史が経過しております。

今から30年ほど前に製作した弊社工場、螺旋階段壁面がこの3Dステンレスで製作しています。
水面ステンレスの原型や当時の社員の似顔絵を3Dで表現してます。

設置場所の紹介

では、弊社工場の位置関係を記載します。
弊社は 福岡県太宰府市にあります。海からは少し遠い内陸です。

設置場所の紹介

設置場所の紹介

ただ、本当に隣は高速道路 九州自動車道太宰府インターチェンジという都市高速とアクセスするとても大きなジャンクションです。
従いまして、Sox,Noxという排気ガスが多量に降り注ぎます。

また、大陸から黄砂というベタベタした洗車泣かせの飛来物もきます。
そこに、同じく大陸からPM2.5という物質までが飛来してくる環境です。

さて、この環境下で、3Dステンレスの屋外での使用状況はどういう状態かということをご紹介します。

設置場所の環境と30年経過の3Dステンレス屋外壁面

弊社工場の螺旋階段をカバーする屋外パネルです。

自社工場ですので清掃しているのでは?と思われると思いますが、残念ながら、足場を組まないと清掃ができない高さです。
よって、清掃はしていません。自然放置の状況です。

3Dステンレスパネル

この左側の円柱部分が3Dステンレスパネルです。
こちらの3Dステンレスパネルの施工は30年前になります。

当時のテクスチャーなので少し時代を感じる3Dテクスチャーですがご容赦ください。

側面側(道路側)から見た3Dステンレス製の壁面

側面側(道路側)から見た3Dステンレス製の壁面です。

30年前の3Dテクスチャー

30年前の3Dテクスチャーです。
この3Dステンレスパネルのスペックは
ステンレス鋼種:SUS304
板厚:0.4mm

30年前の社員さんたちの似顔絵

30年前の社員さんたちの似顔絵です。
流石に30年経っているので、残っておられる方は数名です。

やはり、30年も経つと、所々に初錆が起こっています。
また、風雨による汚れの付着等、環境による影響もあります。

近づいてみると汚れていいますが、少し離れるとあまりわからなくなります。
そこがステンレス鋼の優れた性能だと思っています。

この螺旋階段壁面は垂直面なので、風雨は流れ落ちていきます。
しかし、そうでない箇所につくことが多いのもステンレス建材の宿命です。

そこで、軒天下での屋外暴露試験状況で詳しく見ていきます。

屋外暴露

この屋外暴露は2013年から行なっています。
約10年弱屋外軒天下に設置しています。

ステンレス鋼種はSUS304です。板厚は様々です。
左側のカラフルな色がついているのは、珪素膜による機能性検証ですので、あまり気にされないでください。

この状態から見るとさほど汚れているようには見えません。
しかし、近づいていくと・・・・

屋外暴露

このように、3Dステンレス表面が汚れています。
これは、定期的に高圧水などで洗浄すればこのようにはなりません。

この水滴のようなテクスチャーパネルは屋外暴露試験なので、あえて何もメンテナンスをしていないという状態です。
実際にお使いの際には、ここまで表面が汚れることはないかと思います。

屋外暴露

前述しているように、3Dステンレス鋼の耐食性能などは、母材のステンレス鋼種に準じます。

この表面の汚れなどから発生する点サビを抑制するのは、ステンレス鋼種グレードの向上が必要となります。

鏡面ステンレスパネル

平面で表現する鏡面ステンレスパネルでは、このような使用環境では表面に水垢がつき、斑点上の汚れとなります。
そういう意味では、ステンレス表面を3D化することで雨汚れに対しては目立ちにくくするという利点があります。

このように、3Dステンレスは屋外で使えるのか?
という質問については、30年で内陸地であればこのような状態。
軒天下で10年でこのよな状態とノーメンテナンスで思っていただければ、メンテナンスをした場合を想定すれば、かなり綺麗な状態が続くと思います。

長い年月を超えていく建物

長い年月を超えていく建物

建物には、長い年月を風雨に耐えて悠久の時を超えていくものあります。
ステンレス鋼やチタンで覆われた金属外壁を持つ建築が遥か先の未来で、時代を刻みながらどんな風貌になっていくのか楽しみです。

今の時代で選択できる最適なステンレス鋼種グレードで美しい壁面を提供し、それが人類の歴史と共に時代を経ていくことを期待しています。

 

まとめ

今回は、非常に多いご質問
「3Dステンレス 水面ステンレスシリーズ」は屋外で使用できるのか?
このクエスチョンに対する回答を記載しました。

水面ステンレスシリーズや3Dステンレスは、気がつくと30年間の歴史を刻んできました。
この水面ステンレスシリーズや3Dステンレスは、先代社長の代に技術が完成し、もう30年です。

ちょっと 伝統工芸とはいきませんが、太宰府市が産んだ歴史ある、太宰府メタルとして、感じていただけますと嬉しいです。

 

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