ステンレスについて ヘアライン系意匠材 加工・施工

ステンレスとアルミのヘアライン研磨について。研磨仕上げの特徴と事例をご紹介!

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ステンレス鋼へのヘアライン加工はステンレス意匠仕上げの初期に登場した歴史のある研磨方法です。
冷間圧延肌のNo.2B仕上げにパーパーなどで長手方向に真っ直ぐな模様をつけることで、銀色肌のステンレスに美しい風合いをつけています。
#400バフ研磨と並び最もポピュラーな仕上げなので、エスカレーターや店舗内外装、キッチン、家具など、様々なところで使用されています。

 

金属のヘアライン研磨とは

ヘアライン研磨とは真っ直ぐなラインで凹凸を形成し、ストレートヘアーの長い髪のような雰囲気を醸し出す研磨方法を言います。

ステンレスメーカー様の表現では「No.4仕上げのものをさらに#150〜#200メッシュの研磨材を塗布したベルトを用い、一方向に連続した砥粒線をもった仕上げ」と表現されています。

 

使用する材料により変化するヘアライン研磨製造方法

ヘアライン研磨を行う材料は

  1. ステンレス鋼
  2. アルミニウム
  3. チタン
  4. 銅・真鍮

このような材料が一般的です。

通常は板表面にペーパーや不織布で傷をつけてヘアラインを形成していきます。
アルミニウムは素材が柔らかいため、目詰まりを起こしますので、油を塗布してヘアラインを行う方法もとられています。

ステンレス鋼とチタンはある厚み以上にあると熱間圧延剤となります。
この材料は単純にはヘアラインができません。
まず、金属表面に存在する黒皮を研削して表面を整えてからヘアラインをかける必要があります。

 

ヘアライン研磨の特徴

ヘアライン研磨の特徴はまず、エレガントな仕上げであることです。
遠目から見ても金属光沢を放ち、バフ研磨加工と比較して反射が少なく、メタルの美しさを表現できます。

また、板形状のみならず、アングル・チャンネル・H鋼、丸パイプ、各パイプ、フラットバーにも対応可能な仕上げです。

このヘアライン仕上げは大変歴史のある仕上げなので、各種ハンドツールも充実しています。製缶溶接加工や意匠加工で溶接部位についても修正加工が比較的簡単に行えます。

それ故に、ヘアライン仕上げは家具、エスカレーター、昇降機、サッシ、内外装壁面、店舗什器、建具など、様々な用途で使用されています。

 

ヘアライン研磨のバリエーション

ヘアライン研磨は研磨粒度の変更でその目の深さや見た目が変化します。

また、研削形製造方法のヘアライン研磨の場合は、回転数や送りスピードで、研磨目の変化を表現することができます。

また素材違いによっても、ヘアライン研磨の見た目は変化します。


ステンレス鋼 SUS304 ヘアライン研磨板材

 


アルミニウム A1100 ヘアライン研磨板材

単独で見ると分かりにくいですが並べて比較すると雰囲気がわかります。

 


アルミニウム A1100 ヘアライン研磨板材  |  ステンレス鋼 SUS304 ヘアライン研磨板材

 

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ヘアライン系意匠材

 

ヘアライン研磨のデメリット

歴史も長く、多くのところにご使用いただいているヘアライン研磨種品ですが、問題点は、“手垢”と“傷”です。

ヘアライン研磨は一方向に研磨目が入っています。
それ故に、そのヘアライン目と交差する形で傷が入るととても目立ちます。
手垢については、中々拭き取りにくいという難点もあります。
屋外の塩害地域では、バフ研磨や鏡面研磨加工に比べて錆が出やすいのもデメリットです。
そのため、少しでも改善するため、ガラスコートをお勧めしています。

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金属(ステンレス、アルミ)のヘアライン研磨のまとめ

世の中でポピュラーであるが故に、知っていると思われがちのヘアライン研磨についてですが、改めてまとめてみると、まだまだ、その特徴やデメリットなどが伝わっていないようです。

これからもステンレス鋼。チタン、アルミなどの金属の魅力を発信してまいりますので、ぜひ、また当サイトにお越しください。

 

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