etc チタンについて

チタンは磁石が引っ付くのか? チタンの磁性を検証します。

投稿日:

チタンは軽量で耐食性の高い金属です。

近い性能を持つ金属はステンレス鋼やプラチナになります。

ステンレス鋼はその金属組織構造で磁石が付いたりつかなかったりします。

では、チタン・チタン合金は磁石がつくのでしょうか? 検証します。

 

チタンについて〜誕生から現在まで〜

チタンという金属は、強度が高く軽量で、非常に耐食性に優れた金属です。

その発見は1791年に遡ります。イギリスの牧師でありアマチュア化学者であったウィリアム・グレゴールによって発見されました。

ウィリアム氏はこの新しい元素を含む砂を分析している際、未知の白い金属酸化物を発見しました。

それは後に、ドイツの化学者マルティン・ハインリッヒ・クラプロートによって

ギリシャ神話の巨人族「ティターン」から「チタン」と命名されているようです。

 

当初、チタンはとても希少で価値が高い金属として認識されました。

また、その抽出は複雑でコストがかかるものでした。

しかし、20世紀に入ると、チタンの生産技術が飛躍的に進歩しました。

特に、1946年にアメリカのウィリアム・クロールが開発したクロールプロセスによって、チタンの商業生産が現実的なものとなったのです。

この方法は、チタン鉱石を塩化チタンに変換し、それをマグネシウムで還元することで金属チタンを抽出するというものです。

 

チタンの特性は、航空宇宙産業や軍事産業での利用が増加してきました。

その非磁性、高い耐食性、強度、そして生体適合性により、

航空機の構造材料から人工関節や歯科インプラントに至るまで、幅広い用途で使用されるようになっています。

また、その耐熱性は高温環境での使用にも適しており、ロケットやジェットエンジンの部品としても不可欠となりました。

 

チタンの非磁性の特性は、チタンが強力な磁場の影響を受けないため、

MRIスキャナーの構造材料や爆発物処理ロボットの素材としても使用されています。

これにより、チタンは医療、科学研究、安全保障の分野で非常に価値のある材料となりました。

 

現在では、チタンはその独特な特性を活かして、さらに多くの分野での応用が探求されています。

その軽量で高強度な特性は、環境負荷を減らすための輸送機器の効率化に寄与し、持続可能な開発の一翼を担っています。

チタンの発展は、科学と工業の進歩に伴い続いており、将来的にもその可能性は広がります。

 

チタンの特徴

チタンはチタンそのものである純チタンと、特製を付加した合金チタンがあります。

まず、基本となる純チタンの特徴についてご説明します。

1.非磁性

純チタンは非磁性金属であるため磁場に対して反応ません。

それゆえにMRIなどの磁場を使用する医療機器や、電磁干渉を避けるべき

精密機器に適しています。

 

2.高い耐食性

海水や塩水、クロム酸などの強い酸にも耐性を持っています。

それゆえに化学プラントや海洋構造物の材料として利用されます。

 

3.生体適合性

人体に対する反応が非常に少な金属です。

その特性により医療分野でのインプラントや外科用具に広く使用されています。

 

4.耐熱性

高温下でも強度を維持する能力があります。

この性能を活かしてエンジン部品や宇宙船の構造材料に利用されることがあります。

 

5.軽量

強度に対する密度の比率が高く、軽量でありながらも高い強度を保持してます。

その特徴から航空宇宙産業や自動車産業で重宝されます。

 

これらの特性は、純チタンが多岐にわたる産業で非常に重宝される理由です。

特に非磁性はその使用範囲を大きく広げる要因の一つとなっています。

 

〈こちらの記事もご参考ください〉

チタンの重さや性能、特性及び用途を解説

 

チタンの磁性の検証

それでは、純チタンを中心に実際に磁性を検証します。

検証方法は実際に磁石につけ、引っ付かないかを確認します。

 

純チタン

純チタンは非磁性ですので、磁石は全くつきません。

 

純チタン 発色(陽極酸化材)

こちらはチタンを電解発色させたチタンです。

純チタン発色(陽極酸化材)も純チタンと同じく非磁性ですので磁石は全くつきません。

 

純チタン 蒸着(PVD)

こちらは、純チタンに物理的蒸着方法させたチタンです。

こちらも非磁性ですので、磁石は全くつきません。

 

合金チタン

こちらは、64合金チタンを凌駕する特性をもつ合金チタンです。

合金チタンも非磁性ですので磁石はつきません。

 

チタン以外の金属の磁性の検証

続けて、金属の磁性を実際に検証してみます。

 

塗装鋼板

一般的な塗装された鉄板です。

磁性はあるため、磁石はばっちりつきます。

 

亜鉛メッキ鋼板

一般的な亜鉛メッキ鉄板です。

亜鉛メッキ鉄板は磁性があるため、磁石はばっちりつきます。

 

汎用ステンレス鋼SUS304(オーステナイト系)

一般的に屋外で使用されるステンレス鋼です。

汎用ステンレス鋼は非磁性ですので、磁石は全くつきません。

ただし、曲げ加工などの加工部には組織変化を起こすため磁石がつくこともあります。

 

フェライト系ステンレス

フェライト系ステンレス鋼です。

代表的なものはSUS430です。

SUS430は磁性があるため磁石は引っ付きます。

 

アルミニウム

一般的なアルミニウムを用いた材料です。

アルミニウムは非磁性ですので、磁石は全くつきません。

 

銅板は非磁性ですので、磁石は引っ付きません。

 

真鍮

真鍮板は非磁性ですので、磁石は全く引っ付きません。

 

 

磁石がつかない金属に磁石をつけるためには

磁石がつかない金属にどうしても磁石をつけたい場合。

その方法は背面に磁性のある金属を貼り付けて複合構造にすれば引っ付きます。

磁石のつかないSUS304 ミステリアスミラー ステンレス鋼ですが、このように磁石がつきます。

 

背面補強材を磁性のある金属とすることで、磁石をつけることが可能です。

 

 

金属の機能性に関するサイト

 

採用情報に関するサイト