鏡面加工(ミラーポリッシュ)とは、金属表面を磨き、鏡のような光沢と映り込みを持たせる研磨仕上げです。ステンレスでは、#400、#600、#700、No.8、#800など複数の呼び方・グレードがあり、用途や求める映り込みによって選定します。
この記事では、鏡面加工の基本、グレードの違い、用途、加工後の修正、意匠展開、注意点を整理します。
01鏡面加工とは
鏡面加工とは、金属の表面を段階的に磨き、光沢と映り込みを高める研磨仕上げです。「鏡面」という言葉は広く使われますが、実際には仕上げの程度や加工方法によって見え方が異なります。

鏡面加工の工程・表面粗さ・鋼種・用途までまとめた総合解説はステンレス鏡面加工とは?、ステンレス研磨全体の位置づけはステンレス研磨とは?をご覧ください。
02ステンレス鏡面グレードの違い
既存記事では、ステンレスの鏡面系仕上げとして#400、#600、#700、No.8、#800を紹介しています。一般にはこれらをまとめて「鏡面」「磨き」と呼ぶことがありますが、光沢や映り込みの程度は同じではありません。
| 仕上げ | 位置づけ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| #400バフ | 汎用的な光沢研磨 | 産業機器・食品機器など幅広い用途 |
| #600 | #400より光沢を高めた仕上げ | 光沢を重視する用途 |
| #700バフミラー | 鏡面系の建築・加工用途 | 後加工・溶接修正を考慮する場合にも選択 |
| No.8 | 艶出し鏡面 | 高い映り込みを持つ鏡面仕上げ |
| #800 | 本鏡面 | 高品位な映り込みを求める用途 |
実際の見え方は、ステンレスミラー(鏡面加工)の見え方の違いで写真を使って比較しています。
03鏡面加工の用途と選び方
鏡面は、医療機器、食品機器、車両、半導体製造装置、建築内外装、什器、サインなど幅広い用途で使われます。すべての用途で最上級の鏡面が必要なわけではなく、求める見え方、加工のしやすさ、コストを含めて選定します。
鏡として鮮明な映り込みを求めるのか、建材・什器として光沢を求めるのか、溶接や曲げなどの後加工があるのかを先に整理すると、適したグレードを選びやすくなります。
鏡面パネルとして建築・インテリアへ使う場合は鏡面パネル|ステンレス・チタン・アルミも参考になります。
04加工・溶接後の鏡面修正
鏡面はグレードが上がるほど修正難易度も高くなります。#400バフ研磨では、溶接部を整えた後にペーパーやバフで仕上げ、研磨目を周囲と合わせることが重要です。
#600や#700では、#400相当まで仕上げた後にさらにバフで光沢を上げます。研磨方向が合っていないと、反射で交差した筋やムラが見える場合があります。
No.8や#800の修正はさらに高い技術を要し、ポリッシャーなどを用いた仕上げが必要になります。加工品では、最終的な鏡面グレードだけでなく、製作工程と修正方法まで含めて考える必要があります。
05鏡面を使った意匠表現
鏡面は単独の仕上げとしてだけでなく、テクスチャー、部分意匠、着色などと組み合わせることで、多様な表現へ展開できます。
3D形状と鏡面を組み合わせた意匠についてはミステリアスミラー®の技術解説、その複合研磨技術はものづくり日本大賞受賞技術で紹介しています。3Dステンレスと照明の関係は3Dステンレスパネルのライティング効果もご覧ください。
06鏡面のお手入れと注意点
鏡面は滑らかな表面である一方、傷、水痕、水シミ、拭きムラなどが見えやすい仕上げでもあります。清掃時には表面に異物を引きずらないよう注意し、用途に応じて日常的な手入れ方法を考える必要があります。
表面にテクスチャーを加えると、指紋や傷の見え方を変えられる場合があります。別の表情を比較したい場合はヘアライン研磨、バイブレーション研磨、ビーズブラストもご参照ください。

既存記事で案内しているコーティングに関する問い合わせ先は東洋ステンレス研磨工業のお問い合わせです。
07よくある質問
鏡面加工とは何ですか?
金属表面を磨き、鏡のような光沢と映り込みを持たせる研磨仕上げです。
#400と#800は同じ鏡面ですか?
同じではありません。#400は汎用的なバフ光沢研磨、#800はより高品位な本鏡面として扱われ、映り込みや用途が異なります。
鏡面加工は溶接後に修正できますか?
修正は可能ですが、グレードが上がるほど難易度が高くなります。加工工程と修正方法を含めて仕上げを選ぶことが重要です。
鏡面はどの金属に加工できますか?
既存記事では、ステンレス、チタン、アルミ、銅、真鍮への対応を紹介しています。グレードによって適用可否が異なるため確認が必要です。
実物で見え方を比較できますか?
実物確認を希望する場合は、ショールーム・サンプルステーションをご利用いただけます。
08まとめ
鏡面加工は、見た目だけでなく、用途・後加工・修正性まで含めてグレードを選ぶことが重要です。
#400から#800までの違いを理解し、求める映り込みと加工条件に合わせて選定してください。
表面仕上げ全体の比較はステンレス表面仕上げとは?もご覧ください。
鏡面グレード、素材、形状、後加工を含めた仕様選定はご相談ください。