金属が持つ本来の輝きと、透明な色のレイヤーが重なり合うとき、そこには、塗りつぶしでは決して生まれない “揺らぎ” と “奥行き” が立ち上がります。私たちがご提案する カラークリア塗装 は、ステンレス鋼やアルミニウムに施した高度な研磨意匠をそのまま活かしながら、透明なカラー塗装で光と色を重ねる、デザイナー・建築家のための金属表現技法です。
- ベースの研磨模様が、クリア層を通して「透けて見える」
- 見る角度や照明条件によって、表情がゆっくりと変化する
- 溶接・曲げ・立体加工を行った意匠金物にも使用できる
商業施設の壁面やカウンター、サイン、什器、住宅のキッチン・家具など、
“ワンランク上の質感” を求める場面で、強い個性と品格をもたらします。
カラークリア塗装とは?
カラークリア塗装 は、金属の素地を生かす「透明色」の仕上げです。一般的な“隠ぺい塗装(不透明塗装)”のように金属を塗りつぶしてしまうのではなく、
- ステンレスやアルミの板材・部材に研磨意匠を施す
- その上から、透明度の高い着色クリア塗装を行う
という二段構えのプロセスによって、金属の表情 × 色 × 光 を同時にデザインします。
- ヘアライン、振動研磨、ビーズブラスト、3Dパターン研磨など、研磨意匠そのものが「模様」となり、カラークリアがそれを優しく包み込む
- クリア層が光を受けてわずかに反射・透過することで、時間帯や照明計画に応じて、柔らかく表情が変化する
まるでガラス越しに金属を覗き込んでいるような、奥行き感のある金属面 をつくることができます。
3つの特長
特徴①:研磨意匠を「消さない」カラー表現
通常の塗装では、せっかく作り込んだ研磨模様が塗料で隠れてしまいます。カラークリア塗装は、研磨でつくり込んだ質感をそのまま主役にできる ことが最大の特長です。

- ステンレス特有の金属光沢を残したまま、ほんのりと色味を付与
- 縦ヘアライン・十字ヘアライン・ランダム研磨など、模様の方向性やリズムを生かしたままカラー表現が可能
- 「光沢感を残しつつ、彩度を抑えた落ち着いた色合い」「ハイコントラストな照明で映えるドラマチックな表情」など、コンセプトに応じた演出が行えます。
特徴②:光と色のレイヤーが生む、幻想的なコントラスト
カラークリア塗装では、金属の反射光と、クリア塗膜の色味が二重に作用 します。

- 斜めから見たときと、正面から見たときで、色の深さが変わる
- 面の中央とエッジ付近で、光の回り方が異なり、微妙な陰影が生まれる
- ダウンライト・間接照明・自然光など、照明環境によって印象が変化する
同じ色でも、照明・見る位置・距離によって、「静」と「動」が共存するような表情変化 をつくることができます。
ホテルロビー、ラウンジ、商業施設エントランスなど、「写真映え」と「リアルな照明下での魅力」を両立したい空間に最適です。
特徴③:溶接・立体加工した意匠金物にも対応
私たちのカラークリア塗装は、意匠金物として完成した後の部材にも対応できる よう設計しています。

設計①:曲げ加工・折り曲げ・ロール成形などを行った立体形状
設計②:溶接で一体化したカウンター・フレーム・箱物
設計③:細かなR形状や立ち上がり部を含む意匠金物
こうした 「形」まで含めたデザイン を優先した上で、最後にカラークリア塗装でトータルな質感を仕上げることが可能です。
- 溶接ビードを意匠として見せる
- 研磨で溶接部をなじませたあと、全体をカラークリアで統一感あるトーンへ
- 切断面・エッジ部分まで含めた一体感のある色表現
金属加工と研磨・塗装を一貫して理解しているからこそ、「造形」と「表面」の両方をデザイン要素として扱える のが強みです。
ベースメタルごとの魅力
ステンレス × カラークリア
ステンレス鋼は、耐食性・強度・光沢感に優れた素材です。カラークリア塗装と組み合わせることで、以下のような価値が生まれます。
価値①:高級感と清潔感を兼ね備えた、キッチン・カウンター・壁面仕上げ
価値②:鏡面~半鏡面まで、ベースの研磨レベルで印象を自由にコントロール
価値③:エントランスサインや企業ロゴサインにおいて、「金属の重み」と「透明感のある色」を同時に表現
屋内はもちろん、仕様によっては屋外のサイン・パネルにも応用できます。
アルミニウム × カラークリア
アルミニウムは、軽量で加工性の高い素材です。意匠研磨と組み合わせることで、ステンレスとは異なる柔らかな表情を見せます。
- 大型の有孔パネルやルーバーなど、軽量性が求められる構造材に
- アルミ特有のやわらかな反射に、カラークリアでほんのりと色味を付加
- ホワイト系・パステル系のカラークリアと組み合わせることで、空間全体にやさしいトーンのアクセントをプラス
軽さ × 色 × 研磨意匠 を求める場面で、アルミのカラークリアは大きな武器になります。
主な用途例
カラークリア塗装は、次のようなシーンで活躍します。
用途①:商業施設の壁面パネル・柱巻き・カウンター前板
用途②:ホテル・ラウンジ・バーのバックバー、レセプションカウンター
用途③:企業受付まわりのロゴサイン、ブランドウォール
用途④:高級住宅のキッチンカウンター、ダイニングテーブル天板、テレビボード前板
用途⑤:美術館・ギャラリーの什器、展示用ステージ・ベース
用途⑥:インテリアアートパネル、オブジェ、モニュメント

「単なる色付き金属」ではなく、光と影をデザインする“意匠金属”の一つの選択肢 として、ご検討いただけます。
品質・耐久性について
私たちは、意匠性だけでなく、実用性・メンテナンス性 も重視しています。
- 指紋・汚れが付きにくい塗膜設計(仕様により)
- 日常的な拭き掃除に耐える耐擦傷性・耐薬品性(家庭用中性洗剤など)
- 室内用途を前提とした安定した耐候性
用途・設置環境に応じて、
- 室内仕様
- 準屋外仕様(軒下、雨がかりの少ない場所)
など、想定条件をヒアリングの上、最適な仕様をご提案いたします。
カラー提案とご依頼の流れ
流れ①:ヒアリング
建築・インテリア・プロダクトのコンセプト/設置環境(屋内/屋外、照明条件)/ご希望の色味・トーン(ウォーム/クール/ニュートラル など)を伺います。
流れ②:ベース研磨の選定
ヘアライン・振動研磨・ビーズブラスト・3D意匠研磨などから選定し、必要に応じて既存の意匠パネルシリーズとの組み合わせもご提案します。
流れ③:カラークリアの試作サンプル作成
小さな試験片による色確認を行い、照明環境を想定した写真・動画でのご確認もサポート可能です。
流れ④:実寸サンプル・モックアップ製作(必要に応じて)
実際の寸法・形状に近いモックアップで最終イメージを共有します。
流れ⑤:本生産・納品
板材のみの供給から、溶接・立体加工を施した意匠金物としての納品まで、ご希望の形態に合わせて対応します。
よくあるご相談
Q. どのくらい色のバリエーションがありますか?
A. 基本色のご提案はもちろん、コンセプトに合わせたカスタム色も検討可能です。
Q. 指紋や汚れが目立ちませんか?
A. ベース研磨とカラー設計の組み合わせにより、鏡面よりも指紋が目立ちにくい仕上げもご提案できます。用途やメンテナンス頻度に応じて、最適な仕様を選定します。
Q. 既存の意匠パネルシリーズにカラークリアを重ねることは可能ですか?
A. 意匠や条件によりますが、多くの場合、相性の良い組み合わせが可能です。具体的なシリーズ名・仕様をお知らせいただければ、個別に検討いたします。
Q. 小ロット・一点物にも対応できますか?
A. デザイン性の高い案件では、少量生産・一点物への対応も行っています。展示会用什器、店舗のシンボリックな壁面など、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ・技術相談
・カラークリア塗装の技術仕様について詳しく知りたい方
・具体的な案件で、研磨意匠とカラーの組み合わせを相談したい方
・図面・コンセプト資料をもとに、最適な意匠金属を提案してほしい方
そのようなご要望がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ステンレス・アルミの研磨技術をベースにした「カラークリア塗装」で、光と色が溶け合う、唯一無二の金属表現を一緒につくり上げていきましょう。








