ステンレスのマット加工は、鏡面のような強い映り込みを抑え、落ち着いた質感や防眩性を持たせる表面仕上げです。代表的な方法はヘアライン、バイブレーション、ブラストで、研磨目の方向性、光沢、補修性、用途が異なります。
01ステンレスのマット加工とは

マット加工は、鏡面仕上げに比べて光の反射を抑え、落ち着いた見え方を作るための表面処理です。強い反射、指紋の見え方、空間の雰囲気などを考慮して選びます。鏡面との違いはステンレス鏡面加工、表面仕上げ全体はステンレス表面仕上げも参考になります。
02ヘアライン・バイブレーション・ブラストを比較
| 仕上げ | 研磨目 | 光沢 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| ヘアライン | 一方向 | 低〜中 | 直線的で汎用性が高い |
| バイブレーション | ランダム | 低〜中 | 無方向で落ち着いた意匠 |
| ブラスト | 微細凹凸 | 低〜半光沢 | メディアと下地で質感を調整 |

03ヘアライン仕上げ
ヘアラインは、一方向に連続した細い研磨目を付ける仕上げです。直線的な表情が特徴で、建築内装、エレベーター、家具、キッチンなど幅広く使われます。


詳しくはヘアライン仕上げとは?をご覧ください。
04バイブレーション仕上げ
バイブレーションは、ランダムな円弧状の研磨目を重ねる無方向仕上げです。直線方向を強調せず、柔らかい光の拡散を作ります。


詳細はバイブレーション研磨とは?で解説しています。
05ブラスト仕上げ
ブラストは、ガラスビーズやサンドなどのメディアを投射し、表面へ微細な凹凸を作る加工です。メディア、圧力、距離、下地の状態によって、マット感や光沢が変わります。


ビーズブラストと、下地の影響を詳しく扱うブラスト加工は下地で決まるも関連します。
06用途別の選び方
| 重視する点 | 検討しやすい仕上げ |
|---|---|
| 直線的で定番の意匠 | ヘアライン |
| 無方向で傷の方向性を抑えたい | バイブレーション |
| 均一なマット感・防眩性 | ブラスト |
| 金属の映り込みを残したい | 鏡面・半光沢との比較検討 |
用途だけでなく、補修方法、屋内外、清掃、照明条件まで含めて決めます。
07設計時の注意点
マット加工は「光沢を落とせば同じ見え方になる」わけではありません。特にブラストは下地の筋やムラを拾うことがあり、ヘアラインは傷の方向、バイブレーションは研磨目の深さで見え方が変わります。実際の照明や施工面積に近い条件でサンプルを確認することが重要です。
屋外では耐食性も併せて検討し、金属の耐食性と屋外建材の選び方も確認してください。
08FAQ・まとめ
ステンレスのマット加工には何がありますか?
代表的な仕上げとして、ヘアライン、バイブレーション、ブラストがあります。
鏡面との違いは何ですか?
鏡面は映り込みと光沢を高めるのに対し、マット加工は反射を抑え、落ち着いた質感を作ります。
どの仕上げが一番傷に強いですか?
傷の目立ち方は研磨目の深さ、方向、使用環境で変わるため、用途に合わせて選定します。
まとめ
ステンレスのマット加工は、ヘアライン、バイブレーション、ブラストで表情と機能が大きく変わります。光沢だけでなく、研磨目、補修性、照明、使用環境まで含めて選ぶことが重要です。