ブラスト加工は、研磨材(投射材)を金属表面に吹き付け、表面を粗らしたり、模様・梨地・きらめきを与えたりする加工です。この記事では、エアーブラスト・ウエットブラスト・ショットブラストの違い、投射材の種類、ビーズブラストとサンドブラストの違い、もらい錆・変形・残留物などの問題点まで整理します。
01ブラスト加工とは
ブラスト(Blast)は、ノズルや投射機構から研磨材を吹き付ける表面処理です。ステンレス、チタン、アルミなどでは、装飾、艶消し、塗装前処理、錆落としなど用途に応じて条件を変えます。

意匠用のビーズブラストについてはビーズブラストとは?で詳しく解説しています。
02ブラスト加工方式の違い
| 方式 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| エアーブラスト | 乾燥空気で投射材を吹き付ける | 装飾、錆落とし、塗装前処理 |
| ウエットブラスト | 水と研磨材を用いる湿式 | 洗浄を伴う処理、部品処理 |
| ショットブラスト | インペラー等で投射材を強く打ち付ける | 鋳物の黒皮除去、ショットピーニング等 |
ステンレスやチタン、アルミに意匠的な表情を付ける場合は、エアーブラストが使われることが多いです。
03投射材の種類と用途
| 用途 | 投射材の例 |
|---|---|
| 装飾 | ガラスビーズ、ジルコニアビーズ |
| 錆落とし・塗装前処理 | アルミナ、カットワイヤー等 |
| 精密部品 | パウダー系メディア等 |
| 防着板等 | 炭化ケイ素、アルミナ等 |

投射材だけでなく、噴出量、投射距離、エアー圧力などでも表面の粗さや光沢は変化します。
04ビーズブラストとサンドブラストの違い
ビーズブラストは球状のメディアを使い、貴金属の艶消しのような柔らかなきらめきをつくりやすい仕上げです。サンドブラストは角のあるメディアを使い、より粗くマットな表面をつくり、塗装や接着の下地として使われることがあります。


マット仕上げ全体の比較はステンレスのマット加工をご覧ください。
05外観を決める条件
仕上がりは、投射材の材質・粒度、噴出量、投射距離、圧力、下地の平滑度によって変化します。とくに意匠用途では下地状態が仕上がりに表れやすいため、鏡面、#400、ヘアライン、2Bなどの下地選定が重要です。
下地ごとのムラやシミの出方はブラスト加工は下地で決まるで比較しています。
06よくある問題点
- もらい錆:鉄系の投射材や設備を共有すると、ステンレス表面に鉄粉が残り錆の原因になる場合があります。
- ソリ・変形:板材に強く投射すると、湾曲や歪みが生じることがあります。
- 残留物:投射材がネジ穴や微細孔に残ると、機能部品では問題になります。
- 色ムラ:溶接部や下地差がブラスト後に濃淡として現れる場合があります。
屋外での耐食性まで含める場合は金属の耐食性も確認してください。
07加工順序と用途
意匠什器やキッチン、扉などでは、ブラスト済み材料を先に購入して後から溶接すると、溶接部の色合わせが難しくなる場合があります。用途によっては、#700などの下地材を成形・溶接し、最後に全体をブラストする方が均一な仕上がりを狙いやすくなります。

鏡面との組み合わせはステンレス鏡面加工との比較も有効です。
08FAQ・まとめ
ビーズブラストとサンドブラストは同じですか?
同じブラスト加工の一種ですが、投射材の形状や目的が異なり、表面の光沢・粗さ・用途も変わります。
ステンレスにブラストすると錆びますか?
投射材や設備管理が不適切だと鉄粉が付着してもらい錆の原因になる場合があります。材料別の管理が重要です。
溶接後でもブラストできますか?
可能です。意匠用途ではむしろ最終形状まで加工・溶接してから全体を仕上げる方が色調を合わせやすい場合があります。
まとめ
ブラスト加工は、方式・投射材・下地・加工順序で仕上がりが大きく変わります。装飾、マット化、前処理など目的を明確にし、材料と設備の管理まで含めて条件を決めることが重要です。